前世療法〜“恥”を捨てられなかった王子様

ヒプノセラピーのセッションで体験する内容は千差万別、さまざまです。前世療法をやりまーす!と言って始めても、必ずしも前世の体験が出てくるとは限りません。幼少期の体験が出てきたり、宇宙体験したり、潜在意識の世界を彷徨ったり、やってみるまで分かりません。

今回も私自身の前世療法体験ですが、実際の前世を追体験したのではなく、前世の意識が作り出した妄想の世界を体験した、という話です。これは実習で行ったセッションだったので、同期の“暗闇の女王”ことTちゃんがセラピストとしてやってくれました。以下記憶を頼りに書いていきます。

この日のテーマは「恥だと感じた過去生」にしました。その頃、あまりにも恥をかくことを恐れる気持ちが強くて嫌だなと思っていたからです。

最初に出てきたビジョンは剣を持った白人男性で、砂漠のような何もないところにいます。戦争のイメージがあります。しかし、周りには敵も味方もいません。一人です。その場所で何をしていたのか、何をしたいのかはっきりしません。しばらく質問で探ってもらいましたが、よく分かりません。場面を移動しました。

宮殿の外廊下のようなところに立っていました。気になる人や物がないか確認して、動いてみましたが、これといって何も引っかかるものはありません。そして、人っ子一人いません。建物の中に入ってみました。暗くて大きな空間に黒い石で作られたプールがあります。水がたたえられており、しんと静まり返っています。何もわからないので、場面を移動します。

同じ宮殿の中の階段を登っています。上に行けば何かわかるかもしれないと思って、登っていきますが、階段はどんどん狭くなり、ついには行き止まりになりました。建物の構造から言ってあり得ません。そして、相変わらず、誰もいません。ここいらへんで、どうも変だなと思い始めました。さらに場面を移動します。

宮殿の屋上にいます。下を覗いてみると、目も眩むばかりの高さで地面が見えません。あたり一体霞がかかっていて天空にいるようです。これもあり得ないなという感じです。どうやら妄想の世界にいるようです。なんとなく逃げているという気がしました。でもこれ以上上に逃げ場がない。そうか、逃げちゃいけないんだという気がして下へ降りてみることにしました。屋上に空いた穴から真っ暗な闇の中へと飛び降りました。1分ほども時間をかけて、地上に着地しました。そのまま宮殿を出て外へと踏み出しました。何か現状が打開できるかと思って見た外の景色は色のない白黒の世界でした。遠くへ伸びる道も、荷車を引くロバも空もモノクロのまま時間が止まった世界でした。

セラピストTちゃんに「どうしたいですか?」と聞かれて、「もういいです」と答え、セッションを終了してもらいました。この過去生(前世)は囚われ領域にいると確信したからです。

ヒプノセラピーのセッションは癒しになることもありますが、気づきを得ることもあります。このセッションでの気づきはこの過去生の男性が恥をかくことを恐れるあまり、暗くて淋しい迷宮の中に自らを閉じ込めてしまった。“恥”から逃げ続けて、宮殿の中を一人彷徨い続けるループの中にいる。そして、その意識の影響を現世の私も受けているということです。過去生が囚われ領域にいるとわかった以上、やるべきことは明白です。意識の救出、レトリーバルです。

後日、モーエンさんの『死語探索マニュアル』のCDより「特定の人を救出する」のパートを使って、この過去生のレトリーバルに臨みました。以下、その時の記録メモです。

ヘルパーは白っぽいドレスの女神様風の女性のような気がした。若いという感じもしないが、そう歳って感じもしない。ヒプノセッションで出てきたF23に囚われている男性に会わせてくれるようにお願いする。

移動

最初は全く存在を感じられず。毎度のことだけれど。

他に人はいなさそうだ。ヘルパーに質問する。

Q.ここはどういう場所?A.彼の意識の中。

軽い鎧的なものを(軍装)を着た男性の気配。しゃがみ込んでいるのか。奈落へ落ちていくイメージが…。

CDの指示に従いながら質問していく。

Q.どうされましたか?どうやってここにきましたか?

A.わからない

Q.どうしてこの場所に住むことにしたんですか?

A.…住むことにした?…(自分の意志だと思っていなかったらしく、少し質問に戸惑った様子)

Q.お生まれは?

A.エストニア

Q.以前はどちらにお住まいでしたか?

A.城、宮殿(え、何?王子様かなんかなん?)

Q.お歳はいくつ?なぜその年齢を選んだ?

A.35歳。35だから(変なこと聞くなあ…と思ってるよね)

Q.得意なことはなんですか?趣味は?

A.馬

Q.あなたが前にいたところで好んでしていたことは何ですか?

A.鷹狩り。狩り、馬に乗って

Q.じゃあ、弓矢も得意なんですね?

A.そうだな、まあ、得意かな

Q.あなたのお名前は?

A.キング…、キングストーン

Q.キング?リングストーン?(キングはなかろうという考えが湧く)

基本情報を得たところで「誰か、この場面に入りたい人いますか?」と呼びかける。彼のお母さんと思しき人登場。

「母上!」「キングストーン!」などと言って感動の再会をやっている。一緒に来たヘルパーはお母さんだった。なるほど、そういう役どころだったのね。女神様じゃなくて王妃様だ!

「一緒に帰りましょう。みんな待っていますよ…」など帰朝を促している。本人は少し躊躇しているようだ。王妃さま母ちゃん、畳み掛ける。「国民も待っています。あなたは英雄です。国を救った、云々」とか何とか言って説得する。キングストーン立ち上がったけど、もじもじしてまだ動こうとしない。今回もキーワードは“罪悪感・恥・勇気がない”だなあ。

そこで、割り込んで「勇気がないなら、この剣を使うといい」と言って、以前天使ガイドからもらった剣を貸してあげた。「恐怖心を切り落とすといいよ」と教えてあげたら、自分で胸の前で切り落とす動きをした。ある程度落としたら安心したのか剣を返してくれた。

そして母親(ヘルパー)と一緒に出発。結局空を飛んで。黒い木々の生い茂る森の上を飛んだ。一度雲の上に出て、再び森が見える空を飛んで、城っぽい建物の前に着地。F27に着いたと思われる。城の中へ入る。

「王子様のご帰還です〜」と使用人たちが騒ぐ様子。王様に謁見する。王様はねぎらいの言葉をかけていた。本人は申し訳なさそうにしてたけど。王様が「体を休めるように」と。侍女たちが右往左往している。そこにお妃様登場。短く挨拶したら、本人はお風呂へ行った。

ここいらでもういいかと思い、ヘルパー(母親)に話を聞くことに。

Q.彼はどこの国の人ですか?

A.エストニア

Q.時代は?

A.12、13世紀かしら

Q.名前は?よく聞き取れなかったんですが…

A.キングストーン

Q.彼は王子様なんですか?

A.そうよ。小国だけどね

Q.なんでまた、王子を?

A.やってみたかったんでしょ。戦いとか向いてないんだけどね。あなたも知っての通り

Q.ところで、私、体のあちこちが痛いんですけど、治りますか?

A.数ヶ月すればだんだん良くなるわ

Q.何か一言アドバイスをください

A.一歩ずつでいいから少しずつ進んでいきなさい。その調子で大丈夫よ

Q.あのー、あなたは私のガイドさんですか?

A.彼の母親だからね。あなたを動かさないと彼を助けられないでしょ

Q.じゃあ、これからは?

A.あなたのガイドよ

お礼を言ってC1へ

前回のおまきちゃんに続いて、過去生の意識の一部が幽霊化していた一例です。彼は王子様という立場だったんですが、気の小さな人だったようです。お父さんである王様や、大臣たち、国民が自分のことをどう思っているか、評価をとても気にしていたようです。だから、戦争に負けて、恥を晒して帰ることなんてできない!と思ってしまったようです。人々の視線や声から逃げた結果、意識が迷宮で彷徨うことになったようです。

後日分かったことは、耳と肺にネガティブなエネルギーを溜めているということでした。自分の悪い評判を聞くのが怖くて、耳に蓋をしたんでしょうね。その「聞きたくない!」という気持ちがエネルギーとして耳に蓄積したのでしょう。肺は過呼吸を起こしがちだったようなので、これも恐れからくるストレスでしょうか。

過去生が弱点としていたことは現世の自分にも引き継がれていることが多いです。そこを克服することが今世の目標になっていたりします。ヒプノセラピーを受けたら、過去生を救出したら、次の日に弱点が自動的に克服されていた、なんてことはもちろんありません。でも、過去生の自分を客観的に見ることで、だから、いつも私はこういう風に思ってしまうんだ、やってしまうんだと気づくことができます。弱点を克服するのはなかなか大変ですが、過去生からの癖を手放す!現世の私には必要ない!と決めれば、案外すっと克服できるかもしれません。

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