思い込みは魂を縛り付ける
人が亡くなっても、成仏できずにいる理由は実にちょっとした理由であることが多いな、というのが、私がレトリーバルをやっていて思うことです。その人の生前の行いが良いとか悪いとか全然関係ない気がします。ただ、その亡くなる瞬間にどんな意識を持っていたか、それが大きく影響しています。病気などでゆっくりと亡くなる方、つまり、自分の死期を悟って亡くなる方は比較的そのまま成仏できるのかもしれません。つまり、心の準備ができるので。
事故や急な病気で亡くなった方は自分が死んだことに気づかないことがあります。そうすると、訳がわからず、そのままその場所に囚われてしまったりします。
また、物や人、仕事に執着してその場から離れられず、囚われてしまっうパターンもあります。
或いは観念、例えば、自分はこれこれをしなければならない、ここに居るしかないといった思い込み(固定観念)に縛られて、成仏し損ねたりすることもあるようです。
今回のレトリーバルの記録は、そんな自分自身の観念に縛られていた方の救出です。
2021年3月23日
ヘルパーを呼ぶと、正面に黄色っぽい色が見えた。紫も混じりながらぼんやりと光っている。正面近くにいる。どことなく優しい印象。女性?
ヘルパーに自己紹介して、要救出者のところへ連れていってくれるように頼む。移動の感覚はない。しばらく何も知覚できない。
歳をとった男性。体格はなんとも言えない。どちらかというと汚い格好。公園のようなところにいる。名古屋?
声を掛ける。「こんにちは。何されてるんですか?」答えはない。
Q:「どうしてここに?」
A:「行くところがないから」
Q:「ここはどこですか?」
A:「公園」
Q:「何をするのが好きですか?」
A:「酒とタバコ」
Q:「お名前は?」と聞くがわからない。何回か聞くがどうしてもわからない。
Q:「お歳は?」
A:「59歳」
Q:「お生まれは?」
A:「大阪」
Q:「一番の願いはなんですか?」
A:「息子に会いたい」(長い間会っていないみたい)
Q:「私にお手伝いできることはありますか?」
A:「・・・・」
手を握ってPULを送ってみる。
「手が冷たいですね。ここは寒いでしょう」と言いながらPUL照射。
「あなたに会ったという証拠を何か見せてくれませんか」と頼むと、息子の写真を見せてくれる。4、5歳の子供。(こんな小さい時に別れたきりなんだ・・・)
ここでヘルパーを紹介する。
「知り合いを紹介させて。あなたのお手伝いができると思うから」と言うと、ヘルパー登場。役所、いやNPOのボランティアの女性風。「Tさん!」と呼びかける。(Tさんやったん?)
「ここは寒いでしょ。近くに宿泊施設があるから、冬の間だけでもそこで暮らさない?シャワーやお風呂もあるし。タダだから大丈夫よ」とかなんとか言って移動を促している。
Tさんはようやく公園の隅にこしらえたダンボールハウスから立ち上がる。足が痛いようだ。NPOの女性(ヘルパー)は「すぐ近くだから頑張って歩いて!」と言って公園の外へ向かって歩き出す。私は後ろからついて行く。公園は大きな道沿いだった。歩道を通って高架下のようなトンネルのようなところへ入っていく。Tさんの足取りが重そうだったので、後ろからPULを照射してみる。トンネル長い。
細めのビルの前に到着。(ワープした?)ドアを開けて中へ入る。路上生活者用のシェルター施設らしい。左手にカウンターがあって、受付に女性が一人。向かいに椅子(ソファ)がある。
「お部屋用意するねー」とかそれっぽいことを言っている。「怪我してるみたいだから看護師さんに手当てしてもらおうか」とか言ってる。一番手前の部屋がメディカルルームになっていて、ドアに赤十字の印が付いている。そこに入ると医師がいて診察とか治療をしてくれるようだ。
ここで、Tさんから離れて、彼についてヘルパーに質問する。
Tさんは30年近く路上生活をしていて、あちこち体を悪くして弱っていた上に寒さにやられて死んだ。自分は行くところがないと思っているので、そこに囚われてしまった。孤独のせい。誰にも助けを求められなかった。その生前の信念を引きずってしまった。他人の援助を受け入れることができたので、今後はもう問題はない。
ヘルパーはこんな風なことを教えてくれた。ヘルパーにお礼を言ってC1へ帰還。
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観念が私たちを苦しめる
私たちの観念(信念、思い込み)というものは、私たちの日々の行動や判断に大きな影響を与えています。
Tさんの場合は「自分にはどこにも行くところがない」「人に頼ってはいけない」「自分には甘える資格がない」といった観念が、生前、彼を苦しい生活に縛り付けていましたし、死後もまた、同じ状況に縛り付けていました。自分はこの公園のダンボールハウスに居るしかないという観念が成仏を妨げていました。思い込みの力恐るべしです。
でもこれ、Tさんが特殊なわけではありません。私たちは誰もが不必要な観念を持っていて、そのせいで生きづらさを感じています。その観念は子供の頃に親・先生・社会から植え付けられたものかもしれませんし、経験を通じて自分でそう思い込んだのかもしれません。
「人に迷惑を掛けてはいけない」という観念のせいで、苦しい状況にあるにも関わらず、誰にも頼ることができずに心身を病んでしまったり。「妻たる者、母親たる者、家族を優先すべき」という観念がいつも自分のことは後回しにして、気がついたら自分自身には楽しみもスキルも何もないということになっていたり。
何か生きづらさや息苦しさを感じたら、自分が思い込みに囚われていないか、不必要な観念に縛られていないか、一度、見直してみると楽になるかもしれません。
ヒプノセラピーの年齢退行療法は、子供の頃に植え付けてしまった不必要な観念に、気づくきっかけとなるかもしれません。また、前世療法は過去世から持ち越している観念を教えてくれるかもしれません。
サイキックリーディングではあなたが抱えている不要な観念をガイドが教えてくれるかもしれません。
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