自分の無力さを感じて苦しい〜前世療法からわかる魂の傷

前世療法はパズルのようなもの

ヒプノセラピー私の場合シリーズです。ヒプノセラピー、特に前世療法などの今世ではない経験の場合、出てきたイメージ(映像、音、感覚)が最初は何を意味しているのか自分でもさっぱりわからないことが往々にしてあります。

それでも、セラピストさんの誘導に従って、確認していくと、一人の人物の人生ストーリーがなんとなく判ってきます。最終的には各場面がパズルのピースのようにはまって、その人の人生なり半生なりが形作られます。そうだったのかー!と後からわかることも多くて、判った時の鳥肌が立つような感覚は結構病みつきになります。めっちゃおもしろーい!と叫びたくなります。

もっとも過去世は面白がるために知るものではないと思われます。癒したり、学びや気づきを得るために魂が見せてくれているものです。はい、不謹慎ですみません。

そんな、おもろっ!!と思った、(いや全然反省してないやん)私のある過去世の話です。

これはヒプノセラピーの練習セッションだったので、同期のTちゃんがセラピストをつとめてくれました。Tちゃんは過去生で忍者だったり、修験者だったりしたことのある子なのに、その時の経験が大変すぎたせいか、前世療法を受けると、すぐ暗闇に行ってしまって何もわからなくなるセラピスト泣かせの女性。暗闇の女王と呼ばれています。暗闇の女王Tちゃんの話も面白いのですが、またの機会にするとして、はい、今日は私の前世療法の話です。

飛脚の過去世

催眠に入ると、まず自分の姿形を確認していきます。

草鞋を履いて、裾を捲って、脛に布を巻いてあります。昔の日本の旅装束です。水戸黄門の助さん、角さんスタイルですね。男性のようです。時代は江戸。

Tちゃんに「何をしていますか?」と聞かれたので、「手紙を運んでいます」と答えました。私は飛脚を仕事にしています。江戸と地方を行き来しているようです。

場面移って、私は橋の上に立っています。人がたくさん歩いている賑やかな場所です。「何か気になるものはありますか?」と暗闇の女王Tちゃんが聞きます。下を流れる川の岸辺には桜の花が満開で、お金持ちや高貴な方々が花見の宴をしているのでしょうか。綺麗な幕や幟が見えます。なぜだかそこが気になります。「近くに行けますか?」とTちゃんが聞きますが、「下へ行く道がわかりません」と答えました。ここではそれ以上のことがわからなかったので、さらに次の場面へ移動します。

さっきとは打って変わって、静かなところです。土手のすぐ横の道に立っています。右側には、水があります。数十メートル先に橋が見えます。川?いや、川だと思ったのはお堀のようです。対岸は石垣になっています。石垣の上から木がのぞいています。見えていたのはそのお堀にかかる橋です。人は誰もいません。周りには特に何もない鄙びた印象です。Tちゃんに「その橋の方へ行くことはできますか?」と聞かれましたが、「いいえ」と答えました。特に障害物があったわけではなのですがなんとなく、自分はその橋へは行けないと感じたのです。ここではそれ以上の情報は得られませんでした。

これまでのところ、見えたビジョンに何の意味があるのかさっぱりです。

次の場面へ移動です。

悲しみが込み上げる

背の高い石塔のようなものがたくさん所狭しと並んでいます。その中の一つに目が止まりました。文字が彫ってありますが、読めません。Tちゃんが質問を重ねていくうちに、そこがお墓であることがわかってきました。お寺に隣接した墓地で、小さなお地蔵様も見えます。「何をしたいですか?」と聞かれて「何があったのか知りたい」と答えました。自分でも???の答えです。「和尚さんに聞きたい」訳もわからぬまま悲しみが込み上げてきます。

そして徐々に当時の状況が思い出されてきました。ここは大切な人のお墓。大切な人が急に亡くなったと聞いて、その人が眠る菩提寺に飛んできたのです。その人は幼馴染の女性で、恋人だったのかあるいは恋心を抱いていたようです。彼女は大奥に女中として奉公に上がっていましたが、ある日突然死んで帰ってきたのです。なにかの咎でお手打ちになったのでしょうか。過去世の私は旅から戻って、そのことを知りましたが、家族に聞いても詳しいことがわからなかったのでしょう。真相を確かめにお寺へと飛んできたのです。

ところで、なんでお寺?って思いませんか。私は、へ~、お寺の和尚さんに聞くとわかるんだーって地味に感心しました。現代人の感覚だと、家族に聞いてわかんないことはお寺のご住職はもっとわかんないでしょう、と思いますが、ここは江戸時代。当時、庶民にとって寺の住職は数少ない身近な知識人。武家の世界のしきたりなど知る由もない庶民が頼る相手として真っ先に思いつく存在だったのでしょう。家族の話は要領を得ないとなると、和尚さん、説明してください!ってことです。

セッションの続きといきましょう。

和尚さんに会うために境内へと入りました。しかし、結局和尚さんに会うのはやめてしまいました。今更、真相を知ったところでどうしようもない、敵討ちできるわけでもない。どんな理不尽な話だったとしても、庶民が将軍の奥様方を訴えることなどできないのです。そんな虚しい気持ちがしたのです。

次の場面へ移動です。

苦しい感情と向き合う

川辺にいます。柿の木が生えている土手の上から川を眺めています。この川原は亡くなった彼女と幼い頃に一緒に遊んだ思い出の場所です。彼女を助けてあげられなかった。自分はなにもしてあげられなかったという思いに胸が苦しくなります。申し訳ない。自分の無力さにただただ涙が溢れます。ひとしきり感情を感じ、感じ切ったところで、Tちゃんの誘導により、癒しの光を使ってこの過去世と自らを癒し、このセッションを終えました。

以上が私が体験した前世療法です。

気づきは後からやってくる

こんな感じで、セッション中は何が何だかさっぱりわからないことが多いのですが、全てが終わると、あー、そういうことか~と理解できます。

例えば、最初の橋の上から花見の宴を眺める場面、もしかしたら、大奥の奥方たちが花見に来ていたのかもしれません。遠くから幼馴染の姿を探していたのでしょう。

そして、お堀にかかる橋。あれは江戸城にかかる橋であったに違いありません。自分はあっちへは行けないと感じたのも納得です。一介の飛脚に過ぎない私は近づくことも許されないでしょう。あの奥に大好きな人がいると思って、時々眺めていたのかもしれません。

このセッションを受けた日の帰り、私は電車の中でふと思いついて「皇居 橋」というキーワードで画像検索をしてみました。自分が見たビジョンは一体どの橋だったのだろうと思ったからです。すると、とてもよく似た写真を見つけました。私の見たビジョンと道の角度や石垣の高さ、橋の形などがそっくりです。それは平川橋という橋でした。

ちなみに、私はそれまでに皇居周辺に行ったことはありませんでした。皇居にかかる橋は二重橋や大手門に向かう橋(道?)をテレビで見たことがあるくらいです。平川橋は全く知りませんでした。そして、平川橋の説明をよく読んでみると、平川橋はただ二つ江戸時代の木橋の姿をそのまま残す(つまり、今も当時と同じような形をしている!!)とあります。

さらに、平川橋の先の平川門は奥女中の通用門であったとあります。まさに、ここは大奥に勤めていた幼馴染が出入りしたであろう橋だったというのがわかったのです。パズルのピースが綺麗にはまったと感じた瞬間でした。こういう体験をすると、過去世って本当にあるんだな~って今更ながら思います。

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